1966年4月2日、長岡生まれ。

深夜1時。寝台特急がガタンゴトンと線路を渡る音を聴いていた私は、人生が往来するそんな時間を「なんかいいなあ」と思っていました。

若い頃はもともとワインに興味はないどころか苦手意識が強く、専らビール派でした。一人暮らしを始めた誕生日に立ち寄ったお店で、一本の白ワインを試飲してみたのがはじまりです。

決して高いワインではありませんでしたが、思った以上に美味しかったことから、ドイツワインに興味を持ちました。

今ではボジョレー・ヌーボーのCMを見ない年はありませんが、当時はまだ日本でのワインブームが起きていなかった時代です。

本業とは別にワインの勉強を続けながら、ソムリエの資格を取得したものの、当初は自分の店を持つということは想定していませんでした。

父が亡くなったことを機に長岡に帰ってきてからどうしようかと考えた末、美味しいワインを人に紹介したいという思いが高じて、「スタシオン」を開きました。

私はワインの興味以上に、カウンターからお客様の人生の何気ない毎日に立ち会うことが大好きです。そこにあるのは、ワインに限らなくても良いと思っています。

寝台特急がガタンゴトンとやさしく通り過ぎていく駅のように、これからもお客様の人生を見守るような店でありたいです。